2012年御翼4月号その1

『聖書に隠された成功法則』― 松島 修氏

 ビジネスの世界で、キリスト教の本が多く出版されている。聖書を基盤に、世の中の成功法則を導き出そうというものである。しかし、聖書の内容が成功法則に移植される時には、大事な部分が欠けてしまったり、微妙に違っていたり、言葉やコンセプトが置き換えられているものが多い、と松島 修氏は言う。そのため、聖書の真価が発揮されない。部分的には正しいものの、一番大切な肝の部分や結論が間違えていることや、置き換えられていることが多いのだ。例えば、聖書の「神」「キリスト」「聖霊」という語が、「宇宙の意思」などと書き換えられてしまう。
神や救い主に関する記述が曖昧になると、人間の霊的な問題(生と死、罪、赦し、永遠の命、生きる目的、等)が分からなくなる。そして、成功は自分の欲望を満足させることとなってしまうのだ。そして、一般に想像される成功像は「ブランドもので身をつつみ、豪邸に住み、高級車を乗り回し、世界中を自由に旅して…」である。これらは、見せかけの幸せであり、それは人間の罪、自己中心から出るものであって、やがては霊的な死をもたらし、人が人らしく生きられなくなる道である。
 松島氏は、著書『聖書に隠された成功法則』の中で、以下のように記している。
 しかし、聖書の成功者像には、「豪邸や高級車を持っていること」「自由に旅をする」という類(たぐ)いのものは含まれていません。なぜなら、それは真の成功とは無関係だからです。 信仰とは、次の点を受け止められるかです。
・人は、それぞれ目的を持って神によって創造された (創世記1:26 「神は言われた。『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。』」)
・人は、神に似せて創られた最高傑作
・人は、神から愛されている

 聖書の成功者とは、その人が神(キリスト)に似たものとなること、つまり最高のステイタスになることです。聖書ではこのような人々を「神の国を受け継ぐ者」(エペソ1:11)と紹介しています。
 そして、氏は神の国の住人が持つべき性質として、聖霊の実(ガラテヤ5章「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」)を挙げ、柔和の中に「悔い改めの心を持つ」と記しておられる。「聖書の真価」は、各自が自分の不完全さ(罪)を認め、悔い改め、キリストを通して愛なる神とつながるところにある。そして、その愛を具現化して行くところに、豊かな生涯の秘訣があるのだ。
 松島氏は先日、東大YMCAで「資産コンサルタント」として講演会を行い、甥の小野雄人氏が出席し、その内容を以下のように教えてくれた。
・富とはお金、金銀財宝のみでなく、能力・才能・人間関係など、自分の内面を磨く・自分の周りに平和を創り出していくものである
・財産・富は、必要な時に必要なだけ与えられる。もっと早く助けてくれればいいのに、いつもギリギリのタイミングである
平たく言えば、ただお金を稼ごうとするのは間違い
・日本人にとって神という概念は決して受け入れられないものではない一方、宗教と聞くとそれがどんなものであってもカルト的なイメージを持って恐れる人が多いが、当然である。宗教は信仰とは全く別の物、信仰の偽物なのだから
・キリスト教へのお誘いは、一生懸命布教するよりは、案外何の努力もなしに成功するものである(正確な表現忘れ)

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